明日の蒼の空
 家族旅行まで、あと一週間。

 もっと長い距離を泳げるようになるために、この日も、りさと一緒にこども水泳教室に行って、一時間ほどプールで泳いだ。

 帰りにみんなのふっちゃんに立ち寄り、私とりさは扇風機に当たりながら、冷たいカキ氷とコーヒー牛乳をいただいた。

 みんなのお店にも立ち寄り、今夜の夕食の食材をいただいて、のんびりと歩いて家に帰った。

 いつものように郵便受けを確認した。

 今日は、一通の手紙が入っていた。夏美さん宛の手紙だった。

「ただいま」
 りさと一緒に夕食を作っていたとき、いつもの時間に夏美さんが帰宅してきた。

 私は料理を作る手を止めて、手紙を持って玄関に向かった。

「おかえりなさい。拓哉さんからの手紙が届いていますよ」
 こうして、夏美さんに手紙を手渡すのは、もうかれこれ、二百回目くらいになる。

 面倒臭いと思ったことは、一度もない。

「ありがとう」
 笑顔でお礼を言ってくれた夏美さんは、ダイニングの椅子に座り、地上の世界で暮らしている彼氏さんからの手紙を読み始めた。

 私は夏美さんの様子を見ながら、りさと一緒に料理作りを再開した。
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