明日の蒼の空
「急に暗い話をして、ごめんね」

「いえいえ、いいんです」
 私はそれ以上、何も言えなかった。

 会話は途切れてしまい、砂浜に打ち寄せる静かな波の音しか聞こえなくなった。

「さてと、あたしもそろそろ寝ようかな」
 夏美さんはベンチから立ち上がり、りさが眠っているテントに入っていった。

 私はベンチに座ったまま、ぼんやりと星空を眺めながら考えた。

 夏美さんがつぶやいていた言葉の意味がわかったような気がした。

 切ない別れとは、悲しい死別のこと。
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