明日の蒼の空
 星のしずく海岸、滞在二日目。

 今日も貸し切り状態。

 天気は最高に良い。



 夏美さんは朝から海に入り、浮き輪なしで泳ぎまくっている。クロールも平泳ぎも背泳ぎもバタフライも上手。

 私とりさも海に入り、今日は浮き輪なしで泳いでみた。

 プールで泳ぐのと海で泳ぐのとは全く違う。

 私とりさは溺れそうになってしまった。

 やっぱり浮き輪が必要だと思った。



「ビールを飲もうっと」
 夏美さんは砂浜に上がり、ベンチに座って、ビールを飲み始めた。

 私とりさも砂浜に上がって、真っ白い浜辺で真っ白い砂のお城を造った。

「ビールぐびぐび大怪獣、夏美ゴンが現れました。急いで避難してください」
 避難指示を出した夏美さんが、「ぎゃおー、ぎゃおー、ぎゃおー、あたしのビールはどこだあ!」と叫びながら、私とりさが造った砂のお城に向かってきた。

「壊しちゃダメだよう」
 りさが両手を広げて、砂のお城の前に立ちはだかった。

「冗談よ。壊したりしないから、安心して。あと一時間くらいで、御手洗さんがお迎えに来てくれるから、そろそろ帰る支度をしましょうか」

「えー、もう帰っちゃうの?」
 りさが珍しく駄々をこねている。

 帰りたくない気持ちはよくわかる。できることなら、星のしずく海岸でずっと遊んでいたい。でも、そういうわけにはいかない。夏美さんも私も週明けから仕事。

「夏美お母さんの言うことを聞きましょうね」とりさに言って、テントを畳んで荷物をまとめた。

 夏美さんも私もりさも服に着替えた。
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