明日の蒼の空
四月十八日の午後、正行さんと私との二人で地上の世界に降りた。
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、波打ち際に立っていた。
真っ白い砂浜の上に、花束が置かれていて、お線香が焚かれている。
三人とも、手に真っ白い紙飛行機を持っている。
正行さんと私は、春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんの後ろに立った。
「パパに届くように、おもいっきり飛ばすのよ」
春子さんの声はとても明るい。
「おもいっきり飛ばすよ」
声を揃えて言った日菜子ちゃんと寛太くんの声もとても明るい。
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、紙飛行機を持った腕を大きく振りかぶった。
「パパに届け!」
「パパに届け!」
「パパに届け!」
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、同時に海に向かって紙飛行機を飛ばした。
寛太くんの紙飛行機は、五メートルくらい飛んだ。
日菜子ちゃんの紙飛行機は、七メートルくらい飛んだ。
春子さんの紙飛行機は、二十メートルくらい飛んだ。
三機の紙飛行機は、引き潮に運ばれて、沖の方に流れていき、海に沈んでいった。
「パパ! お空に絵を描いてくれて! ありがとう!」
日菜子ちゃんが海に向かって叫んだ。
「パパ! 僕がピッチャーの絵を描いてよ!」
寛太くんも海に向かって叫んだ。
「正行! しっかり受け取れよ!」
春子さんだけ空に向かって叫んだ。
「パパに届くといいね」
「うん!」
「うん!」
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは肩を寄せ合った。
私は正行さんに声を掛けて、家に戻った。
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、波打ち際に立っていた。
真っ白い砂浜の上に、花束が置かれていて、お線香が焚かれている。
三人とも、手に真っ白い紙飛行機を持っている。
正行さんと私は、春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんの後ろに立った。
「パパに届くように、おもいっきり飛ばすのよ」
春子さんの声はとても明るい。
「おもいっきり飛ばすよ」
声を揃えて言った日菜子ちゃんと寛太くんの声もとても明るい。
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、紙飛行機を持った腕を大きく振りかぶった。
「パパに届け!」
「パパに届け!」
「パパに届け!」
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは、同時に海に向かって紙飛行機を飛ばした。
寛太くんの紙飛行機は、五メートルくらい飛んだ。
日菜子ちゃんの紙飛行機は、七メートルくらい飛んだ。
春子さんの紙飛行機は、二十メートルくらい飛んだ。
三機の紙飛行機は、引き潮に運ばれて、沖の方に流れていき、海に沈んでいった。
「パパ! お空に絵を描いてくれて! ありがとう!」
日菜子ちゃんが海に向かって叫んだ。
「パパ! 僕がピッチャーの絵を描いてよ!」
寛太くんも海に向かって叫んだ。
「正行! しっかり受け取れよ!」
春子さんだけ空に向かって叫んだ。
「パパに届くといいね」
「うん!」
「うん!」
春子さんと日菜子ちゃんと寛太くんは肩を寄せ合った。
私は正行さんに声を掛けて、家に戻った。