明日の蒼の空
第2章 子供の頃からの夢が叶った日
 街の図書館で働いている夏美さんの起床時間は毎朝七時。家事手伝いの私は毎朝六時半に起きて、眠っている夏美さんを起こさないように静かに朝食を作る。

 パンが好きな夏美さんの朝食は、いつも決まってフレンチトーストとヨーグルトとホットコーヒー。お米が好きな私の朝食は、納豆かけご飯と新生姜の甘酢漬けとインスタントのお味噌汁。今朝のデザートは、庭で摘み取った新鮮なキウイフルーツ。焼き立てを食べてもらうため、フレンチトーストは、夏美さんが起きてから焼くようにしている。

「蒼衣ちゃん、おはよう」
 キウイの皮を剥き終えたとき、夏美さんが起きてきた。私はフレンチトーストをフライパンで焼き始める。

「夏美さん、おはようございます。もう少しで焼き上がりますので待っててくださいね」

「うん。いつもありがとう」

 寝起きのいい夏美さんは毎朝欠かさずストレッチをしている。

 今朝もリビングの床に座って両足をV字型に伸ばして、気持ち良さそうにストレッチを始めた。

 イチ、ニ、サン、シ。ニ、ニ、サン、シ。今日も朝から元気な夏美さんを見ていると、なんだか安心する。
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