明日の蒼の空
「あの子供たちは、どうやってひまわりの絵を消したんですか？」
　さっそくひばりさんに聞いてみた。

「消えるように願いを込めて、絵に向かって息を吹きかければいいのよ。私も消してみるから、よく見ていてね」
　空のキャンバスに描いた絵を消す方法を説明してくれたひばりさんは、地上から五メートルの高さに描かれているひまわりの絵に向かって息を吹きかけた。

　その瞬間、ひまわりの絵が一瞬で消えた。

　風に流されて消えることはないのに、息を吹きかけるだけで消えるなんて本当に摩訶不思議。

「蒼衣さんも消してみて」

「あ、はい」

　正直なところ、せっかく描いたひまわりの絵を消すのはもったいないと思った。

　空はみんなのもの。空のキャンバスに描いた絵は、その日の内に必ず消さなければならない。

　私も自分で描いたひまわりの絵の前に立ち、消えるように願いを込めて、空中に描かれているひまわりの絵と文字に向かって息を吹きかけてみた。

　その瞬間、ひまわりの絵も文字も一瞬で消えた。

　まるで手品師にでもなったような気分。本当に不思議なことの連続。
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