明日の蒼の空
「どの料理の絵もすごく上手よ。やっぱり、蒼衣さんは、空のキャンバスに絵を描く才能を持っているのね」
 ひばりさんは笑顔でそう言ってくれたけど、自分ではわからない。描いてみたら、描けただけ。

「空のキャンバスに絵が描けるようになったのは、ひばりさんのご指導のおかげです。本当にいろいろとありがとうございました」
 私は嬉しさを抑えながら、ひばりさんに向かって深々と頭を下げた。

 本当に本当に、心の底から大感謝。

「そんなに頭を下げなくてもいいのよ」
 ひばりさんの優しい声が聞こえた瞬間、私は顔を上げた。

「蒼衣さんの腕を見込んで、お願いしたいことがあるんだけど」

「はい。どんなことでしょうか」

「もしよかったら、私の代わりに、料理の絵とランチメニューの文字を描いてもらえないからしら」
 ひばりさんが笑顔で言ってくれた。

 まさか頼まれるとは思っていなかった。すごく驚いたけど、すごく嬉しかった。

「はい。私でよければ描かせていただきます」
 ひばりさんのお役に立てるなら。と思い、私は喜んで引き受けた。

「どうもありがとう。明日からお願いできるかしら」

「明日からですね。わかりました」

 ひばりさんが一週間のメニュー表が書かれた紙を手渡してくれて、東面と南面と西面を描く場所を教えてくれた。私はその場所を地図上に記した。
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