明日の蒼の空
 夏美さんにおやすみの挨拶をして自室に入り、今日描いたお刺身定食の絵と明後日と明々後日のランチの絵をスケッチブックに描いて練習してみた。

 ランチの絵を楽しみにしている人はたくさんいると思う。

 急に絵の感じが変わらないように。メルヘンチックな感じの絵が描けるように。美味しそうに描けるように。ひばりさんのように早く描けるように。十一時までに全ての面を描けるように。とにかく練習あるのみ。

 三時間ほど練習した後、部屋の窓を開けて、宝石箱のような満天の星空を見上げながら流れ星が現れるのを待った。
 


 今日はね、水色の空のキャンバスに絵を描いたんだよ。地上から七十七メートルの高さにだよ。みんなのひまわり憩い食堂の真上に、料理の絵とランチメニューの文字を描くというお仕事を任されたんだよ。明日から描くんだよ。一生懸命、頑張るからね。

 水色の流れ星さん、どうか私の心の声を、姉に届けてください。
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