明日の蒼の空
 今日も帰りにみんなのふっちゃんに立ち寄った。

「蒼衣さんが描いたお刺身定食の絵を見たわよ。すごく上手ね」
 笑顔で褒めてくれた菓絵さんが、ふんふん♪ ふふふん♪ ふふふふふーん♪ という鼻歌を歌っている。かなりご機嫌な様子。

 私は嬉しさのあまり、五円チョコを七つもいただいてしまった。菓絵さんが歌っていた鼻歌を歌ってみた。

「みんなのふっちゃんにとうちゃくー」
 お店の前にあるベンチに座って五円チョコを食べていたところ、今日もたあくんが青色の可愛らしい三輪車に乗ってやって来た。

「ベーゴマの練習をしてきたよ。僕と勝負してくれる?」

「いいわよ」

 たあくんと菓絵さんがお店の軒先でベーゴマを始めたので、今日は思い切って私も参加してみた。

「ベーゴマって、難しいんですね」
 菓絵さんがベーゴマの回し方を丁寧に教えてくれたのに、私は何回やっても回せるようにならなかった。それでも楽しかった。また参加させてもらおうと思った。

「そのベーゴマは、蒼衣さんにあげるね」
 菓絵さんが私にベーゴマをプレゼントしてくれた。

「どうもありがとうございます」
 私は喜んで受け取って、みんなのふっちゃんの頭文字の『み』の字が刻まれた銀色のベーゴマと白色の紐をズボンのポケットに仕舞った。

 家に帰ったら、ベーゴマの台を作って練習してみようと思う。
 
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