明日の蒼の空
 オレンジ色に染まっている空を見上げながら、急ぎ足で家に帰り、いつものように郵便受けを確認した。

 今日は、一通の手紙が入っていた。夏美さん宛ての手紙だった。

 庭の物干し竿に干されている洗濯物と布団を取り込んだ後、バケツの上に緑色の硬い布を敷いて、見よう見まねでベーゴマの台を作ってみた。

 三十分ほど練習したら、ベーゴマを回せるようになった。

 なんだか嬉しくなって、夢中でベーゴマを回してみた。

 一分、二分、三分。回せば回すほど、回転時間がどんどん長くなっていく。

 ぐるぐると回り続けているベーゴマを見て、一生懸命頑張って練習すれば、どんなことでも出来るようになると思った。

 いつの間にか、家の中が暗くなっていた。

 リビングの壁に掛けられた時計を見たら、六時二分だった。

 私は慌てて夕食の支度に取り掛かった。

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