運命を知らない占い師
「では、顔をこちらへ近付けて」
将太は言われた通りにする。
「そのまま、じっとして」
占い師は将太の額に人差し指を当てる。
「そして私の目を見て」
あの深い紫色のベールから透けて見えるのだろうか?
「そうですね。貴方は政略結婚かな。なかなか身分の良い女性。貴方とは仲が良さそう。相思相愛で、幸せに暮らせるでしょう」
そう言うと、占い師は人差し指を離した。
「では、お次の方」
そして優介の方を向く。