運命を知らない占い師
恥ずかしく思いながら今度こそはと占い師の目を見る事に集中する。
占い師はなかなか将太の時の様に答えを出さない。
優介は何だか怖くなった。
「もっと良く私の目を見て」
「他に何も考えずに、私の目を見て」
「そう、じっと見て」
そんな言葉をずっと繰り返すと、はぁ、と深い息を吐き、前のめりになっていた身体を椅子へ戻した。
「貴方の、未来が見えない」
薄暗い部屋の中、占い師の言葉が響いた。