運命を知らない占い師
「知らん。私は君の未来がないという事しか分からんよ」
自分の役目はもう終わったのだとばかりに、占い師の口調はいきなり変わった。
「そんな…まだ二十にもなってないのに…そろそろ死んじゃうなんて…」
心無い占い師の言葉に目が熱くなった。
涙が落ちそうだという事に気付き、下を向く。
すると、真っ赤な絨毯にシミができた。
涙の塊が数滴落ちたのだ。
ゴシゴシと乱暴に目を拭き、顔を上げる。
そこには、変わらず口元に笑を讃えた占い師がいるだけだった。
くそう!
だから僕は占いなんて嫌だって言ったのに!!
少年、門真優介は少し前の自分を殴りたくなった。