運命を知らない占い師

「実はね薫子、鹿鳴館に占い師がいたんだ」


優介は今日の出来事をかいつまんで話した。


「で、でも、そんな占い師、信じちゃいけませんわ。どうせ偽物です」


言葉とは裏腹に、薫子の顔は不安そうに揺らいでいる。


「将太もそう言ったんだけど、その占い師は外した事はないって。僕みたいに未来が見えなかった人は皆数年のうちに死んだって」


「そ、そんなのいやです!いや!いやいやいや!絶対いやです!」
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