運命を知らない占い師
モノローグ
占い師の少女
少女は紫色のベールを外す。
長く美しい、絹のような金髪がサラサラと溢れる。
その顔はまるで欧州の美しい人形のよう。
ただ、瞼が開いたり閉じたりし、紫色の瞳が動く以外は。
少女は今日占った少年の事を思い出していた。
生真面目そうな顔が不安そうに揺れる。
その額に人差し指を当てて見えたものは、闇。
可愛そうな少年。
まだ二十にもなってないと言っていたか。
私と同じくらいの歳だったのだろうか。