運命を知らない占い師

将太の言葉にはっとした。


『総理大臣にはならんようだ』


『何だと?』


『それどころか、数年の後に貴方の家はお取り壊しになるようだ』


占い師と新田の会話を思い出す。


「確かに、占いは当たった…」


「しかもこんなに早い段階でな」


「じゃ、じゃあ、僕が死ぬのもそんなに早くって事、なのかな?」


「やめて下さいそんな事!」


弱々しい声を出す優介を叱ったのは薫子だった。
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