運命を知らない占い師
改めて友人、向坂将太の姿を見る。
黒で統一された洋服は彼にとてもよく似合っていて、顔の整っている彼と踊りたそうにしている淑女は少なくない。
同い年とは思えない程この場所に合っていた。
それに比べ僕と言えば…。
父の付き添いで何度が集まりに着た事はあるものの、洋服はあまり着慣れていないので、違和感がありありと出ている。
まるで、子供が大人服を着させて貰ったようだと、自分で思った。
「俺の初陣は一年前だからな。どうよ。初陣の感想は」
「僕にはまだ早いと思うんだ…」