運命を知らない占い師

改めて友人、向坂将太の姿を見る。


黒で統一された洋服は彼にとてもよく似合っていて、顔の整っている彼と踊りたそうにしている淑女は少なくない。


同い年とは思えない程この場所に合っていた。


それに比べ僕と言えば…。


父の付き添いで何度が集まりに着た事はあるものの、洋服はあまり着慣れていないので、違和感がありありと出ている。


まるで、子供が大人服を着させて貰ったようだと、自分で思った。


「俺の初陣は一年前だからな。どうよ。初陣の感想は」


「僕にはまだ早いと思うんだ…」
< 6 / 64 >

この作品をシェア

pagetop