運命を知らない占い師

「お~、雰囲気あるな~」


必死で将太からの拘束を解こうとする優介をよそに、将太は部屋へズカズカと進む。


「ちょっと、待ってってば。僕は占って欲しい事なんか何も…」


優介は黙った。


薄暗い部屋の真ん中に、占い師らしき人物を見つけたのだ。


深い紫色のベールを被り、それに合わせた紫色のドレスを着て、椅子に座っていた。


「どうも」


鈴が鳴るような綺麗な声が静かな部屋に響く。
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