熱愛系エリートに捕まりました
「は、はい」

「本当に好きだね。そうそう、俺もいいイタリアンレストランを見つけたんだ。きっと気に入るだろうから、今度行こうね」


こちらの困惑などお構いなしに捲したてる彼に、少し違和感があった。

いつもなら、こんな風にわたしを置き去りにして話を進めたりしないのに。

そこでふと、彼から少し距離を取った背後に佇む女性と目が合う。


多分、わたしより歳下だろう。

柔らかい茶色で顔の輪郭に沿うようなボブヘアのその女性は、ものすごく可愛かった。


小顔で色白で、目はぱっちり二重でくりっとしてて大きくて。

鼻は小さく、唇はぷっくりツヤツヤ。頬にはほんのりピンクのチーク。

服装も、品のいいフェミニン系でよく似合っている。

アイドルグループでセンターになれそうだと率直に思った。
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