熱愛系エリートに捕まりました
あぁ…馬鹿だなぁ、わたし……


とっくに気づいていたのに、ずっと見ないふりし続けてきたこと。

必死になって否定して、逃げていた本心が、唐突に胸を突く。


わたし、薬師丸さんのことが好きなんだ。


思えば初めから…あの朝目覚めたときには、もう彼に惹かれていたような気がする。

だから考えるより先に動く、なんて生まれて初めてのことをしてしまったんだ。


でも、自分の気持ちを認めたからってどうしようもない。

だって、この想いに気づかれてしまったら彼との関係は終わりだから。

あの女の子のように疎ましそうに見られて、次の遊び相手を探すのだろう。


隠して、遊び相手として側にいることと。

伝えて、結果に構わず堂々と恋をすることと。

どっちがいいのか、わたしにはわからない。
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