熱愛系エリートに捕まりました
品はいいけどカジュアルな雰囲気のお店で、寛いだ空気のいいお店だった。

わたしはリゾット、彼はパスタ、それに小ぶりのピッツァも頼んでシェアして、まるで最初にホテルで目覚めたときみたいだとちょっと思った。


もちろん美味しくて、楽しい時間を過ごして、それからまだ時間があるからと夜景スポットで有名な高台の公園に連れて来られて。

今はその公園でも端っこの見晴らしのいいポイントで、安全用の丸太を模した柵の前で夜景を眺めているところだ。


「ごめん。レストランから近いからと思って寄ったけど、外だし寒いよね」

「あ、いえ、そんなに…」


今日は12月の夜にしては暖かいから、コートを羽織っていればそれほど寒さは感じない。

だから首を振ったのだけど、心配性なのかそういう性質なのか、彼は聞く耳持たずにわたしを背後から抱き込んだ。


「えっ、ちょっと…!?」
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