熱愛系エリートに捕まりました
慌てて逃れようとしたけど、思いの外強く抱きしめられていて抜け出せない。


まだ自分の気持ちにちゃんと向き合えてない状況で、こんなことされるのはできれば遠慮したいのだけど…!

だってもう心臓がドキドキどころかバクバクしてて、体温が上がるのを自分でも感じる。

顔も絶対赤くなってるし、こんなのすぐバレちゃうわ。


「んー?」


どうやら楽しんでいるらしい薬師丸さんは、含み笑いを零しながら耳に唇を触れさせた。

そんなところにキスされたのは初めてで、びくっと肩が跳ねる。


「耳弱いんだ」

「うっ、違っ…」

「すごく可愛い」


やたら機嫌よさそうな薬師丸さんが、頭やこめかみにチュッチュッとキスを降らせてくる。
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