熱愛系エリートに捕まりました
徐々にアルコールが効いてきたな、とは思っていたけど…

男性に教えてもらうカクテルはどれも甘かったりさっぱりしてて、警戒心も忘れて気分よく飲んでいたら、すっかり酩酊していた。


「そうか、同期の男に…」

「そーなんです。フラれたとも言えないレベルで、勝手に好きになって勝手に玉砕しただけなんですけどねぇ」


気づけば男性は隣の席に座っていて、でも別に不快感はなかった。

そして、聞き出されたのか自分から話したのかもよくわからないけど、初対面の彼に向かって失恋話を繰り広げていた。


「大学時代から好きだったなんて、出会ったときにはもう無理だったってことじゃないですかぁ」

「まぁ…そうかもしれないね」

「それなのに近づきたいとか思っちゃって、馬鹿ですよねぇ…しかも結局、ただの同期止まりだし」
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