熱愛系エリートに捕まりました
完全に管を巻いている自覚もない。

思考には全部モヤがかかったみたいに霞んでいて、感情だけが突っ走っていた。


「もういい大人なのに、情けないなぁ」

「そんなことはないよ。控えめなのがいい、って見方もあるし」

「んー…でも、片想いなら自分が積極的にならなきゃ始まらないんですよね…」


ふわふわして、気持ちよくて。

うーん、なんか眠くなってきちゃった…

欠伸をしながら、ゆるゆるとカウンターに伏せる。


「…それは確かにそうだな」


男性がボソッと何かを言ったけど、よく聞き取れなかった。

意識が徐々に微睡みに落ちていく。

ここがどこで、どんな状況かなんて、もはや考えていなかった。
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