熱愛系エリートに捕まりました
母の思惑としては、ヨーロッパとは異なる日本の環境下で揉まれれば楓も変わるのでは、と期待していたのだ。

しかし、なまじアイドル系の顔立ちなので、ヨーロッパでは子ども扱いでも、日本ではむしろ女子としてかなりモテた。


良家の子どもたちが通うエスカレーター式の名門校に帰国子女枠で編入したのだが、結局はまた男子に持て囃され。

まぁそれも、見た目重視の馬鹿な男か、いかにも頭の軽い楓で遊んでやろうという下衆な男によるものだったのだが。

楓自身は在欧時代からモテていたつもりだったので、その状況を当然のように受け入れた。


やがては学園の男子生徒だけでは飽き足らず、外でもアクセサリー感覚で男漁りをするようになった。

それも、実際には楓の方がいいように弄ばれていたパターンが多いのだが、本人は多くの男を手玉に取った気になっていた。


そうして、おめでたい人生を歩んできた楓だったが、ある転機が訪れる。
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