熱愛系エリートに捕まりました
そして、わたしは裸だ。

肩まで布団に潜っているから直接見たわけじゃないけど、何も身につけている感覚がない。


そして、誰かの右手が枕の下を通して伸ばされているのが視界に映り込んでいる。

もう一本、布団の中で腰の辺りに誰かの腕が回されるように乗っかっている感触もある。

さらに言えば背中に誰かの体が当たっていて、規則正しい寝息が聞こえる。


…うん。…よし、落ち着け瞳子。

バクバクしてきた心臓を、深呼吸を繰り返して抑える。

まずはそっと後ろを振り向いて、そこにいるのが誰なのか確かめるのよ。


恐る恐る、ものすごくゆっくりと頭を動かして、後ろにいる誰かを横目に見た。

気配でわかってはいたけれど本当に真後ろ、ものすごく近くに、眠る男がいた。

乱れた髪が顔にかかっているのがセクシーだけど、寝顔は可愛い。
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