熱愛系エリートに捕まりました
仲村がテーブルの上に差し出した手を、身を乗り出すようにしてわたしも見た。

右手の薬指に、ちょっと波打ったデザインのシンプルなシルバーリングが嵌まっている。


「この前彼女できてさ。これペアリングなんだ」


………一瞬、耳が遠くなった気がした。


「おー、おめでとう!惚気やがって!」

「仲村おめでとー!相手どんな子?どんな関係なの?」


周りは俄かに囃し立てるけど、わたしは思考が状況に追いつかなかった。

仲村に、彼女が、できた…?


「大学の同級生でさ、なんていうか、友達以上恋人未満みたいな感じだった」

「おぉ!それで!?」

「俺は彼女のこと好きだったし、彼女もそうだったんだけど、お互いなかなかはっきり言えなくてさ」
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