熱愛系エリートに捕まりました
そんな感じで自分にブレーキをかけるタイミングがないまま、昨日あんなことになって…


あれからまだ僅か一日なのに、こうして仲村のことを思い出しても、不思議と憂鬱な気分にはならないことに気づく。

失恋を上回る衝撃体験のせいかしら。


「瞳子」

「え、はい」


ふと低めの声で名前を呼ばれ、お皿から顔を上げると、鋭い視線でわたしを射抜く薬師丸さんがいた。

なんだろう。なんか、ちょっと機嫌悪い?


あ…わたし的にはフォローしたつもりだったんだけど、かえって社員同士の仲のよさを自慢したように聞こえちゃったかも。

内心焦って話題を変えようとしてたから、自分が何を喋ってるのか深く考えていなかった。

デリカシーがないって思われた…?
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