熱愛系エリートに捕まりました
「馬鹿だね仲村ー!そんなの彼女が言ってくれるの待ってるに決まってんじゃない!」
「いや、まぁ、うん。そうだよね。だからこの前、ようやく俺から付き合ってって言ったんだよね」
そう言って右手でグラスを持ってぐいっと煽った仲村は、それはもう嬉しそうにはにかんでいて。
コト、と小さな音を立ててテーブルに置かれたグラスの汗が滑り落ちるのを目で追いながら、理解した。
わたし、失恋したんだ…
その後もみんなは仲村の彼女について、何系?とか、芸能人だと誰?とか、酒の勢いに任せて不躾なほど聞き出していた。
でも仲村も、不愉快そうな様子は一切なく、むしろ嬉しそうに惚気てみせるから場は盛り上がった。
わたしは多分、笑顔を浮かべて相槌を打ちながら話を聞くふりくらいはできていたはず。
実際には、何を話していたかも、食べた料理や飲んだお酒の味も、全く覚えていない。
「いや、まぁ、うん。そうだよね。だからこの前、ようやく俺から付き合ってって言ったんだよね」
そう言って右手でグラスを持ってぐいっと煽った仲村は、それはもう嬉しそうにはにかんでいて。
コト、と小さな音を立ててテーブルに置かれたグラスの汗が滑り落ちるのを目で追いながら、理解した。
わたし、失恋したんだ…
その後もみんなは仲村の彼女について、何系?とか、芸能人だと誰?とか、酒の勢いに任せて不躾なほど聞き出していた。
でも仲村も、不愉快そうな様子は一切なく、むしろ嬉しそうに惚気てみせるから場は盛り上がった。
わたしは多分、笑顔を浮かべて相槌を打ちながら話を聞くふりくらいはできていたはず。
実際には、何を話していたかも、食べた料理や飲んだお酒の味も、全く覚えていない。