熱愛系エリートに捕まりました
両親が入社祝いに買ってくれた腕時計を確認すると、もういい時間になっていた。

バッグを持って家を出て、コンビニに向かう。


到着してメッセージを送ったら、もう近くまで来ているからあと少しで着く、とすぐに返信が来た。


待つこと数分、円が4つ連なったロゴマークの黒の車が駐車場に滑り込んできた。

もしやと思っていたら目の前に停車して助手席の窓が下がり、奥の運転席から薬師丸さんが体を乗り出して顔を覗かせた。


「おはよう、乗って」


爽やかな笑顔で促され、おずおずと乗り込む。

別に、あまりに汚いとかじゃなければ、男の車には頓着しないけど…

さすがいい車乗ってるんだなぁ、とほうっと溜め息をついてしまった。
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