熱愛系エリートに捕まりました
「そう。唯一の趣味かな。まぁまだ若輩者だから、言うほど持ってないんだけどね」

「へぇ…」


交差点で右折するときに、ハンドルを捌く手元に注目してみた。

チラチラと袖口から見え隠れする斬新なフォルムがおしゃれだ。


「そういうわけだから、お昼を食べたらアウトレットモールで買い物でもいい?」

「あ、はい!」


プランは完全にお任せしていたから、実はさっきからどこに向かうんだろうと考えていた。

待ち合わせが昼前だったから、まずランチなのは想定していたけれど。


「お昼はどこで食べるんですか?」


黙っていようかとも思ったのだけど、結局聞いてしまった。


「瞳子の好みがわからなかったから、ホテルのビュッフェを予約してある。いいかな?」
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