熱愛系エリートに捕まりました
わたしは質問に答えながら、そういうところも気にかけてくれるんだ、と感心していた。


その後、何度かおかわりを取りに行き、お互いの皿からちょっと分け合いっこまでした。

なんだか本当に恋人みたい、とふと思い、慌ててそんな考えを打ち消した。

だめだめ、そこは勘違いしちゃいけないわ。


それでも薬師丸さんとの食事は本当に楽しくて、会話も弾む。

仕事について話す彼は、対人関係には文句を言いつつも目がキラキラしてて、仕事が好きなんだと伝わってきた。

だからこそ余計に職場の雰囲気に不満を抱えてしまうのかな、とも思ったけれど。


お腹もいっぱいになり、会話にも区切りがついたところでレストランを出る。

ちなみに、「俺が勝手に予約して連れてきたんだから」と奢られてしまった。

わたしだって楽しんだし、ちょっとくらいは払いたかったけど、穏やかな笑顔で受け流されたのだ。
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