熱愛系エリートに捕まりました
だって、これは遊びだっていうのは、最初からわかっていたことだもの。


デートフレンド、キスフレンドに、添い寝フレンドやセックスフレンド。

世の中にはそういう、あくまで恋人ではない男女がいることは知っているし、わたしたちだってまさにそれだ。


だから彼の対応はきっと正しい。

余計な詮索をさせないためには、ああやって受け流すのが一番いいんだろう。

…なのに、こんなに落ち込むのはどうして?


それはきっと、わたしが薬師丸さんのことを純粋にいい人だと思っているから。

今日一日、一緒に過ごしていて本当に単純に楽しかった。


だけど、アウトレットモールを後にするときに、車内で雰囲気が切り替わったみたいに。

彼とは「一緒にいて楽しい」という自然な関係じゃなく、「一緒にいることを楽しむ」という人工的な関係なのだと、認識を改めさせられた。
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