熱愛系エリートに捕まりました
そうして揺れる気持ちを抱えながらも、進むことも退がることもなく関係を続けているうちに2ヶ月が経ち、暦は師走に入っていた。


「あーあ、今年のクリスマスはお一人様か」


年末の決算に向けて忙しい業務の合間、7階のイタリアンレストランでランチ中に、果穂さんが憂鬱そうに溜め息を吐いた。


「忙しくなる前に彼氏作ろうと思ってしばらく合コン三昧だったんだけど、見事に惨敗よ」

「がっつき過ぎたんじゃないですか?」

「かもね…わたしももう27だし、落ち着くべきかなぁ。男の人は瞳子ちゃんみたいにちょっと控えめで可愛い子がいいんだろうしね」

「そんなことはないと思いますけど…」


ふてくされた果穂さんに苦笑いしながら、ジェノベーゼパスタを口に運ぶ。

会社の中じゃ一番仲のいい果穂さんは、肉食系だけど気のいい美人さんだ。


「好みはそれぞれですし、実際果穂さんだって綺麗なんですからモテるじゃないですか」
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