夢恋から抜け出したなら
タイトル未編集


出会いは突然だった。

放課後の帰り道。

いつものように一人でとぼとぼ歩いてたら、後ろからさらっと抜かされたかと思うとその少年はわざわざ回り込んできてあたしの行く手を阻んだ。

「好きです」


その言葉が彼の口から発せられたときふらっと視界がぼやけた。

足に力が入らず気付いたらストンと膝を地面についていた。

彼も慌てて膝をつき、あたしと同じ目線になる。

目の前にあれだけ大好きな彼がいる。

ずっと応援してきた、大大大好きな彼が。

会えてることが奇跡で、それだけで十分なのに。

その彼があたしのことを今。

『好き』と言った。

言ってくれた。



画面を通して見てた彼の顔は、やっぱりほんとに小さくて。

自分の握りこぶし一個分くらいじゃないかってほど。

芸能人はオーラが違うなんて聞いてたけど本当だったんだ。



「あの…聞いてる?」
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