マジカル・リリック～魔法学園の危機！？～

「待って！」


静寂に包まれた空間に高いソプラノの声が響いた。

足を止め振り返ると、学園長に突っかかっている、先ほど助けた女子生徒が目に入った。


「どうして退学処分なんですか！彼は悪いことなどしていません！」


どうやら、か弱いというのは思い違いらしい。

栗色の長髪を逆立てて、唸るように問い詰めていた。


「白鳥君は同意いたしました。」


丁寧に答える学園長。


「でも彼は私を助けてくれたんです。魔獣を返したのだって黒魔法使いに操られていた罪の無い魔獣を助けたからじゃないですか！」


これには少し驚いた。
確かにあの魔獣は魔法使いと契約を交わしている様には見えなかった。

普通魔獣や精霊は契約して、初めて魔法使いに力を貸す。
だが、あの魔獣はどことなく目がうつろだったし、上級魔獣にしては力が弱かった。
これは操られている時に起こる、典型的な症状だ。


彼女意外と鋭いな。


「そんなことは関係ありません。問題は白鳥君が魔獣を返したことにあります。」

「～～～～～っ！お父様のわからずや！！！」