マジカル・リリック~魔法学園の危機!?~
そんな時、凛とした声が響いた。


「静かにしなさい。」


みんながいっせいにそちらを向くと学園長が立っていた。

シルバーの長髪を首元で結わえた、40代前半のハンサムな男だ。

学園長は校舎から出てきて、困惑している群集を静かに見つめた。


「すまなかった。私が学園を離れていた為に皆に迷惑をかけてしまった。」


棒読みで言う学園長。
だが、瞳には悲しげな色が浮かんでいるのを、校舎の近くに居た俺ははっきりと見た。


「白鳥君。君は白魔法使いなのかね?」

『えぇ。そうですよ。』

「そうか。」


学園長が瞳を伏せた。
そして顔を上げた。


「君には退学処分を言い渡す。緊急時であったとはいえ、学園の許可なく上級魔獣を向こうに返した。これは学園にとって大きな問題だ。」


周りの空気が揺れた。
皆、動揺を隠せない。


皆いっつも俺のこと虐めたりしてたのになぁ。
こういうときだけ善人ぶっちゃって。




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