独り占めしてもいいですか…?【完】
〉〉ONE
幼馴染の王子
「はぁ~…」
入学式を終えてから2カ月ほど経過した。
お昼休み、窓際の一番後ろの自分の席に座りながら、大きなため息をついていた。
「みーおっ!そんな大きなため息ついてどうした?」
「あ、はるちゃん」
サラサラ黒髪ストレートを靡かせ、颯爽と現れたのは、私の親友の西崎春那 -NISHIZAKI HARUNA-ちゃんだ。
小学生の頃からの仲で、私ははるちゃんと呼んでいる。
見た目のまんま、中身もサバサバした性格で、私のお姉ちゃんのような存在だった。
「そんな大きなため息つくと、幸せ逃げるよ」
逃げるような幸せもないんだけどね…
はるちゃんは私の前の席へ座ると、購買で買ってきたパンを一口齧った。
「う~…だって…」
「…どうせ、千景くんのことでしょ?」
「えっ…なんで、分かったの!」
私、顔に出てた…?
昔からはるちゃんには隠し事できないなぁ。
「美生のことならなんでもわかるよ」
はるちゃん…
男前な一言に思わず胸キュンしてしまいそうになった。
「で、千景くんは?」
「あそこ…」
そう言って私は窓からみえる、中庭に出来た女の子の集団を指さした。
…あの光景も、もう見慣れてきちゃったけどね。
「うっわ。相変わらずだね…」
はるちゃんはその光景をみて、苦笑いを浮かべていた。
入学式を終えてから2カ月ほど経過した。
お昼休み、窓際の一番後ろの自分の席に座りながら、大きなため息をついていた。
「みーおっ!そんな大きなため息ついてどうした?」
「あ、はるちゃん」
サラサラ黒髪ストレートを靡かせ、颯爽と現れたのは、私の親友の西崎春那 -NISHIZAKI HARUNA-ちゃんだ。
小学生の頃からの仲で、私ははるちゃんと呼んでいる。
見た目のまんま、中身もサバサバした性格で、私のお姉ちゃんのような存在だった。
「そんな大きなため息つくと、幸せ逃げるよ」
逃げるような幸せもないんだけどね…
はるちゃんは私の前の席へ座ると、購買で買ってきたパンを一口齧った。
「う~…だって…」
「…どうせ、千景くんのことでしょ?」
「えっ…なんで、分かったの!」
私、顔に出てた…?
昔からはるちゃんには隠し事できないなぁ。
「美生のことならなんでもわかるよ」
はるちゃん…
男前な一言に思わず胸キュンしてしまいそうになった。
「で、千景くんは?」
「あそこ…」
そう言って私は窓からみえる、中庭に出来た女の子の集団を指さした。
…あの光景も、もう見慣れてきちゃったけどね。
「うっわ。相変わらずだね…」
はるちゃんはその光景をみて、苦笑いを浮かべていた。
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