独り占めしてもいいですか…?【完】
お見舞いは嬉しかったけど、まさかその時のこと覚えてないなんて…一生の不覚。





「ほんとに覚えてないの?」


「うん」





そう言うと西崎はやれやれといった様子で、わざとらしく大きなため息を吐いた。





そんな西崎の反応に俺はただただ疑問を浮かべるだけだった。





「まぁ、私もあんまりお節介焼きたくないから、千景くんにアドバイスをあげるね」






西崎はコホンッと咳払いをすると言った。







「美生は本心じゃ、嫌がってなかったみたいだから」







「…ん?なんのこと?」





美生が嫌がってない?

…なにがだ?





西崎の言っている意味が分からなかった。
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