独り占めしてもいいですか…?【完】
「えっ千景にしては珍しい」


「だろ?俺もこんなに宿題残ってるの初めてだもん」





どこにでもある他愛のない会話が俺にとって幸せなひと時だった。





美生は誰にだって優しいし、誰にだって笑顔を向ける。

…まあそれが美生のいいとこだけど。





俺はそういうところも好きだけど、やっぱ美生は危なっかしいとこもあるからすごく心配になる。





美生は俺のことただの幼馴染としか思ってないみたいだから、あんまりお節介なことは言えないけど、幼馴染として美生の隣にいる間は俺が美生を守らないとな。





もし美生に彼氏でも出来たりしたら……考えるのはやめとこ。





美生を他の男になんて、絶対渡したくない。





あの笑顔が誰か一人にだけ向けられるのだと思うと、気が狂いそうになる。





「それじゃ、俺そろそろ行くよ」


「うん!またね千景」





笑顔の美生に手を振り返し、俺は自分の家へと向かった。
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