独り占めしてもいいですか…?【完】
あまりの恥ずかしさに今すぐこの場から逃げ出したかった。





しかし、そんなことをするわけにもいかないので、私は観念した様子で口を開いた。





「その…彼は私の幼馴染なんです」





視線を合わせるのが恥ずかしく、俯き加減に小さな声で呟いた。





「えっそうなの?彼氏じゃなくて?」





先輩は少し驚いた口ぶりをしていた。





そりゃ、驚くよね。


彼女でもないのに写真持ち歩いてさ。


…ほんと、最悪だ。





「はい…ほんとにただの幼馴染なだけなんです」





早く話が終わることしか考えていなかった。


これ以上、恥ずかしい思いをさせないでください…





しかし、先輩は話を終わらせるどころか次々と聞いてきた。





「美生ちゃんはその幼馴染くんのことが好きなんだ?」





そう言ってニヤニヤした様子で私を見ていた。
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