独り占めしてもいいですか…?【完】
「あの、このことは内緒にしてもらえませんか?」





私が千景のことが好きだと、もし言いふらされたりしたらそれこそすべてが終わりだ。





私は懇願するような眼差しを向けた。





「大丈夫!誰にも言わないよ」





辻先輩はそう言って笑顔をみせた。





その裏表のない笑顔をみて、ホッと安堵の息を吐いた。





よかった…

辻先輩って悪い人じゃなさそうだし、ほんとに助かった。





「ありがとうございます!辻先輩!」





心の底から感謝の言葉を伝え、頭を下げた。





これですべてが無事に解決すると思っていた。





しかし、そんな私の考えはどうやら甘いものだったようだ。
< 130 / 294 >

この作品をシェア

pagetop