独り占めしてもいいですか…?【完】
俺にとって何よりの最優先事項は美生だ。





美生以外の女子たちと帰るのはあまり気が乗らないんだよな。





美生以外の女子には正直、全く興味がないし。





俺が困った表情を浮かべていると、一人の女子が口を開いた。





「それがねっ葵さん、私のことはいいから勉強教えてもらってって言ってくれたの。葵さんってほんと優しいよね」





「…え?」





どういうこと?





俺は動揺を隠せなかった。





美生が…?





美生の席のある後ろへ急いで振り返ったが、そこに美生の姿はもうなかった。





「だからさっ近くのカフェでみんなで勉強会しよーよ」


「うんうんっそうしよ」





頭の中が混乱し、女子たちの会話など全く入って来なかった。
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