独り占めしてもいいですか…?【完】
だって…





三春くんの両隣には綺麗な女の先輩二人が、くっつくように隣を歩いていた。





えっと…目のやり場に困るっ…





視線を泳がしていると三春くんが私へと近寄ってきた。





「あれ?一人なの?今日、千景くんと帰るんじゃなかったの?」





「あっ…えっと、色々あって…」





私がごもごもと言葉を濁していると、女の先輩たちが口を開いた。





「三春ー?帰んないのー?」


「ていうか、その子誰?」





ひっ…!

怒っていらっしゃる…?





眉間にしわを寄せ、早くしてよねとでも言いたげな空気を出していた。





「あー…ごめん。今日は俺この子と帰るわっ」


「ふーん、あっそ。じゃ」





そう言って先輩たちは淡々とした様子で去って行った。





あまりにもあっさりとした態度に、少しキョトンとした様子でその後ろ姿を見送っていた。
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