独り占めしてもいいですか…?【完】
そう言って千景はキラキラとした笑顔を浮かべていた。





その笑顔が私にとって、とても眩しくて暖かくて…いつも私に元気をくれた。





「台風なんてこないよっ!私にだって悩みくらいあるもんっ…」








❛千景が好き❜って、あの女の子たちみたいに言えたら、こんなに悩まなくて済むのかな。










…幼馴染じゃなければ、よかったのかな…?










「…よしっ今日は帰りに美味いもの食べに行こう!俺の奢りで!」





千景は張り切った様子でそう言うと私の腕を掴んだ。





「ちっ…千景?」





「ほらほらっ早く行くよ!」


「ちょっ…千景っ早いよ~!」





千景に引っ張られるがまま私たちは駆け足で教室を出たのだった。





千景、どうしたんだろう。

急に美味しいものって…お腹でも空いてたのかな?





千景の消えた教室から、女の子たちの悲鳴のような声が聞こえたのは言うまでもない。
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