独り占めしてもいいですか…?【完】
もう、いいんだこれで…っ





辻先輩ならきっと…いや、絶対美生を幸せにしてくれる。





俺は一歩引いた距離から二人を見守っていこう。





そう決めたんだ。





「じゃ、俺はもう帰るよ」





辻先輩は俺の横を通りすぎた。





「あっそうそう言い忘れてたことがあったんだけど」


「はい?」





振り返ると、辻先輩は笑顔を浮かべた様子で言った。





「先輩に嘘ついたらだめでしょ!じゃ、またね~」





そう言い残し、姿を消したのだった。





「…先輩に嘘…?」





最後の意味深な発言に頭を悩ませたが、暫くして考えることをやめ、俺も裏庭を後にしたのだった。
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