独り占めしてもいいですか…?【完】
***美生SIDE





星くんと一緒に学校から帰り、ベランダからみえる夕焼けをぼんやりと眺めていた。





あの日以来、千景と上手く話せなくなっちゃった。





いつも通りにしたいだけなのに、どこかぎこちなくなっちゃうし…





お昼は千景どこかに行っちゃうし、帰りだって何かと理由をつけて帰れないばかりだった。





「はぁ…」





自然とため息が出た。





千景に好きな人がいるなんて知らなかった。





私…千景のこと知ってるようで、なんにも知らなかった。





今まで私は千景の何を見てきたんだろう…





思い出すたびに自分が嫌になってくる。
< 244 / 294 >

この作品をシェア

pagetop