独り占めしてもいいですか…?【完】

似た者同士

「…俺のこと、呼んだ?」





「え…?」





後ろへ振り返ると、そこには少し驚いた表情を浮かべた千景の姿があったのだ。





「千景…!」


「たまたま美生を見つけたから、声かけようと思ったら俺の名前叫んでるし」


「あっ…」





そういえば私、千景の名前叫んでた…





しかもそれを千景に聞かれたというわけで、恥ずかしくなって顔を真っ赤に染めた。





あーもうっばかばかっ

いくらなんでも叫ばなくてもよかったのにっ…





「ていうか、こんなところで何してるの?辻先輩と待ち合わせしてたんじゃ…」





そう言って千景は首を傾げていた。





そうだ…


言わないと。





そのために私は千景を探してたんだから。
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