独り占めしてもいいですか…?【完】
すると私の言葉を遮るように、鋭い目つきで睨まれたのだった。





こ、怖い…





あまりの険相に続きの言葉が出なかった。





千景の周りにいる女の子たちは怯える私の様子をみて、クスクスと小さく笑っているようだった。





…せっかくの千景との練習だったのに。





「あら?葵さん顔色悪いよ?無理しないで帰ったほうがいいわよ」





その言葉は今すぐ帰れと言われてるようにしか聞こえなかった。





帰りたくないよ…

千景と一緒に練習したかったのに…





涙が溢れないよう、奥歯を噛みしめ下を向いた。





「ほら、さっさと帰り「あのさぁ!」





すると突然体育館に響くような大声で、千景が口を開いたのだった。
< 46 / 294 >

この作品をシェア

pagetop