独り占めしてもいいですか…?【完】
驚いて顔を上げると、千景と視線があった。





千景…?





いつもの優しい雰囲気とは違い、少し怒っているようだった。





その様子に周りにいた女の子たちは、驚いた様子で千景を見ていた。





千景は、早乙女さんと私のところまでやってくると言った。





「俺、美生とバレーの練習をするって約束してたんだよね」


「でっ、でも…葵さん、体調悪そうだから帰ったほうが…」





早乙女さんはいつもと違う千景に戸惑っているようだった。





「美生のことは俺が一番よく分かってるよ。だから、もう帰ってもらってもいいかな?」





千景のその一言が効いたのか、早乙女さんは小さく悲鳴を漏らすと、逃げるようにこの場を去って行ったのだった。





他の女の子たちも早乙女さんの後を追うようにこの場を去った。





「美生っごめん!俺のせいで美生を怖がらせちゃって…」
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